減価償却の考え方を学ぼう

株式会社テイクーワンのN.Hです。

前回は簿記の基本である「仕訳」についてご紹介しました。
今回は、簿記を学び始めるとよく出てくる「減価償却」について解説します。
「高額な備品を買ったのに、なぜ一度に費用にしないの?」と思ったことはありませんか。
減価償却は、その疑問を解決する簿記のルールの一つです。

減価償却とは?

例えば会社で10万円のパソコンを購入したとします。
パソコンは購入した月だけ使うものではなく、数年間利用します。
そのため、購入した年に10万円全額を費用として計上するのではなく、利用期間に分けて少しずつ費用化します。
この考え方を「減価償却」と呼びます。

なぜ減価償却を行うの?

もしパソコンを購入した年に10万円全額を費用にすると、その年だけ利益が大きく減ってしまいます。
しかし実際には、そのパソコンは翌年以降も使用されます。
そこで、使用する期間に応じて費用を分配することで、会社の経営状況をより正確に表すことができます。

減価償却の仕訳例

1. パソコンを購入したとき

10万円のパソコンを現金で購入した場合

借方 貸方
工具器具備品 100,000円(※1) 現金 100,000円(※2)

 

パソコンは長期間使用する資産として扱われるため、購入時点では費用になりません。

※1
パソコンを購入し、資産である工具器具備品(パソコン)が増加したため、借方に勘定科目「工具器具備品」と金額を記載します。

※2
パソコンの購入代金を現金で支払ったため、資産である現金が減少しました。そのため、貸方に勘定科目「現金」と金額を記載します。

2. 減価償却を行うとき

減価償却では、「その資産を何年使用できるか」を表す耐用年数をもとに費用を計算します。
今回は、10万円で購入したパソコンの耐用年数を5年とし、毎年2万円ずつ費用化するものとします。

借方 貸方
減価償却費 20,000円(※1) 減価償却累計額 20,000円(※2)


減価償却費は費用として計上されます。
一方、減価償却累計額は資産の価値が減ったことを示す勘定科目です。

※1
パソコンを使用したことにより価値が減少したため、その年の費用として借方に勘定科目「減価償却費」と金額を記載します。

※2
パソコンは資産ですが、その価値は使用によって徐々に減少します。その減少額を表すため、貸方に勘定科目「減価償却累計額」と金額を記載します。減価償却累計額は資産の減少を表す勘定科目です。

3. イメージ図

購入時
パソコン資産:100,000円(※1)

1年後
パソコン資産:100,000円
減価償却累計額:20,000円(※2)
実質価値:80,000円(※3)

5年後
パソコン資産:100,000円
減価償却累計額:100,000円
実質価値:0円

※1
パソコンの購入時は10万円の資産として計上されます。

※2
減価償却累計額は、これまでに費用化した金額の合計です。
1年後は2万円を費用化しているため、減価償却累計額は2万円になります。
5年後には10万円すべてを費用化しているため、減価償却累計額は10万円になります。

※3
実質価値は「パソコン資産-減価償却累計額」で求められます。
1年後は10万円-2万円=8万円、5年後は10万円-10万円=0円となります。

おわりに

今回は減価償却について紹介しました。
減価償却は少し難しそうに感じますが、「長く使うものの費用を少しずつ計上するルール」と考えると理解しやすくなります。
また、今回登場した「工具器具備品」「減価償却費」「減価償却累計額」などの勘定科目は、実務でもよく使用されます。
前回ご紹介した「仕訳」と合わせて学習すると、簿記への理解がさらに深まると思います。

最後に「テイク-ワン技術ブログ」を読んでいただき、ありがとうございました。

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