SharePointのリストでユーザーごとに閲覧できるアイテムを制限する方法は?具体的な活用例も紹介!

株式会社テイクーワンのO.Sです。

今回は、SharePoint Onlineのリストを使っていて、便利だと思った機能を紹介します。

SharePointのリストに登録したアイテムは、デフォルトの設定の場合、リストの「読み取り」権限が付与されていれば誰でも閲覧できます。しかし、すべてのユーザーに登録したすべてのアイテムを見せるのではなく、ユーザーごとに見せるアイテムを制限したいと思うことはないでしょうか。

実はたった一つの設定でこれを実現できます。

リストアイテムの表示内容を制限するための前提条件

初めに前提条件をご確認ください。

前提条件

・ユーザーがM365アカウントを利用していること。
・表示制限を設けたいユーザーのリストに対する権限が、「閲覧」「閲覧のみ」であること。

ユーザーがM365アカウントを利用していること
  SharePointにログインできればM365アカウントを利用していることになります。こちらは問題ないでしょう。

表示制限を設けたいユーザーのリストに対する権限が、「閲覧」「閲覧のみ」であること
  ユーザーに対象リストの編集権限が適用されている場合、表示させるアイテムを制限することはできません。

編集権限が適用されている場合は、「閲覧」または「閲覧のみ」の権限に変更しましょう。

SharePointのリストを作成する

それではリストを作成していきます。
ホーム画面から、[新規]-[リスト]-[空白のリスト]で新しくリストを作成します。

ここでは例として以下のリストを作成しました。

ポイントは赤枠で囲った「User」列です。
[列の追加]-[ユーザー]で列を追加してください。

[新しいアイテムを追加]をクリックしアイテムを追加していきます。基本となるリストはこれで完成です。

なお、前提条件の通り、
管理者、Aさん、Bさんの3名は全員M365アカウントを利用している
このリストの編集権限は管理者のみ(Aさん、Bさんは閲覧のみ可)
とします。

リストに閲覧制限をかける

それでは本題となる、閲覧の制限を設定していきます。
具体的には、アイテム1は管理者、アイテム2はAさん、アイテム3はBさんにしか見えないように設定していきます。

リスト画面の右上、[すべてのアイテム]-[現在のビューの編集]をクリックしてください。

「ビューの編集」画面が表示されたら、「フィルター」が表示されるまでページをスクロールしてください。

デフォルトでは[すべてのアイテムを表示する]が選択されています。これを、[次の条件に該当する場合だけアイテムを表示する]を選択し、「アイテムを表示する列の条件」に”User”、”次の値に等しい”、”[Me]”をそれぞれ選択、入力してください。

完了したら、「ビューの編集」画面の最上部または最下部にある[OK]をクリックしてください。

閲覧制限設定後のリストの見え方

ここまでで閲覧制限の設定は完了です。実際にどのような見え方になるのか見てみましょう。

管理者の見え方

アイテムの上部に、「User:[Me]× フィルターのクリア×」と表示されています。
そして、「User」列が”管理者”のアイテム(アイテム1)しか表示されていません。

Aさんの見え方

アイテムの上部に、「User:[Me]」と表示されています。
そして、「User」列が”Aさん”のアイテム(アイテム2)しか表示されていません。


以上の通り、閲覧制限されていることが確認できました。

なお、管理者はリストの編集権限を持つため、アイテムの上部の”×”をクリックすることでフィルターを解除し、すべてのアイテムを表示させることができますAさん、Bさんは編集権限がないため、”×”の表示が存在せず、フィルターを解除することができません

注意したいこと!

作成したリストについて、[ビューの追加]で複数のビューを作成できますが、ビューの切り替えは編集権限のないユーザーも可能です。そのため、[Me]フィルターを適用していないビューがある場合、ユーザーにすべてのアイテムを見られてしまうのでご注意ください。

[Me]フィルターを利用したリストの活用例

ここからは[Me]フィルターが実際にどのような場面で有用なのか、活用例を紹介していきます。

初期パスワードの通知

具体例:
あるサービスについて、社員100人分のアカウントを用意した。
ランダムに生成した初回ログイン時の初期パスワードを効率的に通知したい。

用意するもの:
・CSVファイル(1列目:項番、2列目:社員100人分のメールアドレス、3列目:パスワード)

手順:
①SharePointホームから、[新規]-[リスト]とクリック
②「インポート元」の[CSV]をクリック
③[ファイルのアップロード]をクリックし、用意したCSVファイルを選択して、[次へ]をクリック
④作成されたリストに対し、[Me]フィルターを適用

発展(初期パスワード通知特設サイトの作成):
①SharePointホームから、[新規]-[ページ]-[ページの作成]とクリック
②[新しいWebパーツを追加]で、[リスト]-[(作成したリスト名)]をクリック
③表示されたリストの[プロパティを編集]で、「コマンドバーを表示する」「[すべて表示]ボタンを表示する」のトグルボタンをそれぞれオフにし、[適用]をクリック
④ページの体裁を整える

まとめ

今回はSharePoint Onlineのリストで、アイテムの表示を制限する方法について紹介しました。

結論としては、「ビューの編集」画面で、ユーザー列に[Me]フィルターを適用することによって、ユーザーごとに閲覧制限を設けることが可能です。

また、活用例として「初期パスワード通知」を紹介しましたが、これ以外にも、質問用のリストを作成しユーザーごとにユーザー自身の質問のQAを表示させると言ったことも可能です。色々な使い方ができるので是非お試しください。

<参考>
フィルターを使用して SharePoint ビューを変更する

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